データアナリストの安藤です。
今回は、美容エステ業界で急激にシェアを伸ばしつつある企業のWebサイトを事例に、行った改善事例について共有致します。
対象サービスは美容エステのブランドサイト(以下、B社サイト)です。
カウンセリング予約がコンバージョン地点となっており、予約数の増加がB社サイトにおけるKGIとなります。
目次
課題 | 料金ページへ流入するユーザーのCVRは低い傾向にある
データ分析の結果、料金ページへ流入したユーザーのCVRは低下傾向にあることが判明しました。
当然ながら、多くのユーザーは、コンバージョン(以下、CV)までに料金ページを閲覧しています。
一方で、前述の通り、料金ページへ流入した場合はCVRが低下してしまいます。
つまり「流入が多く発生するページのCVRが低い」ことになり、この状態は本サイトにおける明確な課題であると言えます。
仮説 | ユーザーは料金に対してネガティブな印象を抱いている
前項の課題を踏まえると、料金ページへ流入したユーザーは「料金に対してネガティブな印象を抱いている」可能性が、仮説の一つとして考えられます。
料金ページは、プランに応じた料金と概要のみを記載している、シンプルなコンテンツで構成されています。
そのため、「コンテンツのデザインが見にくい」、「何が書いているのか分かりづらい」といった単純な仮説は、CVRが低い要因として当てはまりそうにありません。
また、B社の料金プランは、豊富な特典や質の高いサービスを提供していることから、競合他社と比較して高価格帯にあります。
しかし、提供価値は高いものの、料金ページにはその内容について記載していません。
状況を整理すると、以下の3点にまとめることができます。
- UIによるCVR低下ではない可能性が高い
- 料金プランは他社よりも高価格
- 豊富な特典、質の高いサービスがある
- 料金ページは提供価値についての記載は無い
特典やサービスの観点から、本商材の提供価値は高く、高価格であることの理由は十分に納得できるものです。しかし、料金ページには「料金に納得できるための理由」が欠けていました。
以上より、CVRの低下は、料金ページにて発生するユーザーの心理的要因が招いたという仮説を立脚しました。
施策 | 料金ページに、購買意欲を高めるコンテンツを設置
前項では、”料金に対するネガティブな印象”がCVRの低下に影響を与えている可能性を指摘しました。
この仮説から、CVRの低下から脱却するためには、ユーザーの料金に対する納得性を引き上げる必要があります。つまりユーザーの購買意欲を高めるコンテンツの追加です。
そのコンテンツとは、料金への納得が生まれるように、自社の提供価値を他社と比較した「比較表」が有効だと考えました。
効果測定 | 料金の納得性を高めた結果、CVRが1.8倍上昇
比較表の設置により、料金ページへ流入するユーザーのCVRは1.8倍上昇しました。
また、CVフローである日程選択ページの流入数、各CVフローの流入比率が、軒並み向上する結果になりました。
※CVフローとは、情報入力ページ等のCVするために通過必須なページ集を示す
以上より、料金ページ上で、料金に対する心理的障壁を低くすることは可能であると判明しました。
「料金の確認」は、購買行動に必要不可欠なアクションです。
そのアクションは、購買への心理的障壁を最も発生しうるため、”料金の納得性を担保する”ことは、非常に重要であると言えます。
今回の数値的変化は、そのことを改めて学ぶ契機となるものでした。
提案 | 正しいデータ分析できてますか?
本稿では、サイト改善事例を実行フローベースで詳細にご紹介しました。そのため施策立案の一助となるレポートとは言えます。
しかし実際、分析ツールにおける数値取得の方法は非常に複雑です。
加えて、数値を取得するための環境構築についても、時間や手間の面から遥かに高難度と言えるでしょう。
これらはデータ分析を行う上で、土台となる重要な工程です。
しかしその複雑性から、多くの企業がデータ分析の土台を形成しているとは言えません。
PROJECT GROUP株式会社では、今回の事例のように細かいデータ分析を行っています。
そこから抽出されたデータは、ウェブサイトのUI/コンテンツ改善は、広告戦略やカスタマーサービスの向上、さらには商品開発など、あらゆる領域でエビデンスとなりうるものです。
我々はこれまで蓄積したデータ分析のノウハウを活用し、売上に直結する効果的な施策立案を行っています。
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