「ECサイトからの売上をとにかく伸ばしたい」ECサイト担当者の方は日々売上を上げるために奮闘していることと思います。
しかし、モノやサービスが溢れる現代において、EC業界の競争は厳しくなる一方。
「商品はいいのに売れない」「サイトに人が来ない」といった悩みはEC担当者であれば常に抱えていることでしょう。
経済産業省の調査によると、日本国内のBtoC-EC市場規模は、15兆円を超えたそうです。(2017年現在)
そんな中、売上の上がるECサイトを運営するためには、まず現状のECサイトの問題を把握し、課題を改善することでコンバージョンを少しでも増やしていくことが重要です。
今回は、そのための改善ポイントを解説していきますので、ぜひあなたのECサイト改善・売上向上にお役立てください。
目次
まずは現状の課題を発見しよう
一般的にECサイトの最終的な目標は、商品購入数を増やすことだと思います。
その目標を効率的に達成するためには、どこをどう改善すべきかを戦略的に考えていく必要があります。
現状の課題を把握しないまま、なんとなくサイト改善を行ってしまうと
- 期待するような効果が出ない
- 効果がでるまで時間や費用ががかってしまう
といった問題に直面してしまいます。こういった問題を事前に防ぐためにも、改善前に課題を抽出することは非常に大切です。
以下の2つの視点から、現状の課題を発見していきましょう。
- ボリュームゾーンを把握する
- 問題のあるページを見つける
視点1:ボリュームゾーンを把握する
ユーザーがあまり訪問していないページやコンバージョンに繋がっていないページから改善するより、改善効果の見込めるページに優先して改善すべきです。
効率よく改善するため、まずは、顧客が自分のECサイトのどこに多く訪問しているのかを把握しておきましょう。
具体的にボリュームゾーンを把握するためには見るべき指標は3つあります。
- 訪問ユーザーがどのデバイスから閲覧しているか
- どこから訪問してきたか
- 訪問したユーザーが最初に閲覧したページはどこか
1.訪問ユーザーがどのデバイスから閲覧しているか
ユーザーが、PC用サイトとスマートフォン用サイトのどちらから多く訪問しているかを把握することで、優先的に改善すべきサイトを決めます。
PCでの閲覧やコンバージョンがほとんど無いのに、PC用のサイト改善に時間を費やすことは非効率かつ期待する効果も見込めません。
どちらのサイトを優先して改善すべきか、把握しておきましょう。
2.どこから訪問してきたか
訪問してくるユーザーが、広告からの流入なのか、自然検索からの流入なのか、それともSNSからの流入なのか、メインの流入元によって行う改善手法が全く異なります。
ユーザーが、どこから自身のサイトに訪問してきているかを把握し、適した方法でECサイトを運営しましょう。
3.訪問したユーザーが最初に閲覧したページはどこか
ユーザーが最初に見たページはどこなのかを把握することで、どのページの訴求がユーザーに刺さったのか、ユーザーのニーズや状況を知ることができます。
視点2:問題のあるページを見つける
ボリュームゾーンの把握が完了したら、次は問題のあるページを発見しましょう。
結論から言うと「CVRが高いのにPV数が少ない」「CVRが低いのにPV数が多い」ページが問題の箇所となります。また最も効率よくコンバージョンを上げるためには、どこのページから改善していくか予め絞り込んでおく必要もあります。
1.CVRが高いがPV数の少ないページ
ニーズはあるのに見られていないだけのページはとても勿体ないページです。
訪問者数を増やす改善施策を行えば、それだけでコンバージョンは増加するでしょう。
2.CVRは低いがPV数が多いページ
ユーザーからのニーズがないと判断することができるので、そういったページは表立った表示をさせないようにするか、コンテンツ内容導線を改善することで、コンバージョンを増加させましょう。
ECサイト改善の7つのポイント
改善ポイントの見つけ方をご紹介したところで、今回のテーマである「ECサイト改善の7つのポイント」について解説していきたいと思います。
少々長くなりますので、先に7つのポイントをリストにまとめると以下のとおり。
- 訪問者数を増やす
- サイト内でのナビゲーションを強化する
- 一貫性をもったページレイアウトにする
- 欲しいものを見つけやすいサイトにする
- 購入しやすいサイトにする
- 安心できるサイトにする
- きれいな写真を使用する
1.訪問者数を増やす
どんなに良い商品を置いていても、どんなに素敵なサイトでも、訪問するユーザーがいなければ意味がありません。
- 広告からの集客
- 検索からの集客
- メディアからの集客
この3点からの集客ポイントを改善し、集客力を高めていきましょう。
集客力を上げることで商品を見てもらう機会が増え、コンバージョンに至る割合も必然的に増えていきます。
2.サイト内でのナビゲーションを強化する
(1)商品カテゴリと商品検索オプションを設置しましょう。
ユーザーが欲しい商品を簡単に探せるよう、商品カテゴリと検索オプションを設置しましょう。
(2)「関連商品」や「この商品を見た人はこの商品も見ています」など、パーソナライズ化された商品を表示する
ユーザーが求めている商品を見つけやすくしてあげましょう。また、関連商品ページをクリックさせることでサイトの回遊率の向上にも繋がります。
3.一貫性をもったページレイアウトにする
商品ページから商品ページの遷移において、出来るだけ一貫性をもたせたページレイアウトを表示させましょう。
当たり前ですが、先程まで見ていた商品ページと全く違うページレイアウトでは、ユーザーは混乱してしまいます。
特にユーザーが欲している傾向の高い情報である
- イメージ写真
- 商品の説明
- 価格
これらの情報は全て同じ場所に配置しましょう。それぞれの商品ページで必要情報を探す手間がなくなり、情報の比較もしやすくなる効果があります。
また商品比較後に購入ボタンを押しやすくさせるため、購入アクションボタンも同じ場所に配置しましょう。
4.欲しいものを見つけやすいサイトにする
一般的に、ECサイトに訪問するユーザーは「欲しいものが明確」なパターンと「サイトを閲覧しているだけ」のパターンに二分化します。
欲しいものが明確なユーザー
前者の「欲しいものが明確なユーザー」は商品検索を直接行う傾向があります。サイト内に商品検索バーを設置、ユーザーが探しているものを簡単に見つけられ、スムーズに購入できるようしましょう。
また"欲しいものは明確だが、正確な商品名を覚えていない"ユーザーのために、オートコンプリートを組み込むこと利便性はさらに向上します。
サイトを閲覧しているだけのユーザー
後者の「サイトを閲覧しているだけのパターン」のユーザーには、サイト側が購入をサポートしてあげることでコンバージョンの向上はかなり見込めます。
実はサイトに訪問するユーザーは、この後者のパターンが大半です。
「ブランド」「商品カテゴリ」「価格」などのカテゴリオプションや「関連商品」「あなたにおすすめ商品」などのパーソナライズ化されたコンテンツを表示させ、潜在顧客が購入に至りやすくなるような動機付けをしましょう。
5.購入しやすいサイトにする
ユーザーは、商品の善し悪しだけで購入を決める訳ではありません。商品の見せ方やお店の対応、購入のしやすさ…など様々な観点で購入の判断をしています。
せっかくECサイトへ集客できたのにも関わらず
- 購入ページへスムーズに移動できない
- 購入までのステップがわからない
- 問い合わせしたのになかなか返事が来ない
といった状況では、どんなに商品が魅力的でもユーザーは買ってくれません。
ユーザーにとって使いやすいサイトになっているか、購入までの操作がしにくくないか、顧客が安心してあなたのECサイトで買い物ができるよう、顧客の視点に立って再度自分のECサイトを確認しましょう。この際、実際に自分のECサイトで商品を購入してみるのも効果的です。
6.安心できるサイトにする
ECサイトは訪れたユーザーが安心して利用できるサイト設計にすることは非常に重要です。ネットショッピングは店頭販売とは異なり、商品の現物を見て触ったりすることはできません。
つまりネットショッピングしているユーザーは潜在的に
- 偽物、コピー品、不良品、粗悪品ではないだろうか
- 購入後にちゃんと商品が届くのだろうか
と言ったような不安を少なからず抱えています。有名なECサイトならまだしも、知名度の低いECサイトほど不安感は強まります。
このような不安感を拭い去るようなサイト設計にしておくことは、コンバージョン増加には不可欠です。
(1)口コミを掲載する
商品レビュー掲載することで、商品のメリットデメリットを潜在顧客に知らせることができたり、顧客の商品に対する不安や疑問を解消することができます。
とくに潜在的な顧客は商品レビューを多く読む傾向があり、同じ商品を購入・使用したユーザーの発するリアルな声のフィードバックを購入の動機づけにします。
ですのでレビューは商品ページ内で顧客の目につく場所に表示することが得策と言えるでしょう。
またレビュー掲載はページ上のコンテンツ量が増加することでSEO効果が得られ、アクセスアップに繋がる可能性も高くなります。
(2)プライバシーポリシーとセキュリティマークを表示する
個人情報保護に対するニーズが高まる昨今、ユーザーは入力した個人情報やクレジットカード情報の流出といったトラブルの発生を懸念しています。ECサイトで買い物をするなら、信頼できるサイトで購入したいと考えるのは当然です。
あなたのECサイトが安全であることを確認したら、Pマーク(※)を取得するなどして、安心できるECサイトであることを証明し、しっかりとユーザーに示しましょう。
たったこれだけで、コンバージョン率が11%向上した事例もあります。
※Pマーク:プライバシーマーク。個人情報について適切な保護措置がとれる体制を整備している企業などに付与される
7.きれいな写真を使用する
ECサイトの最大の弱点は、直接商品に触れられないことです。
気になる商品をさまざまな角度から見たりデモ使用できる実店舗とは違い、ECサイトのほとんどは写真上で商品本体の良さを宣伝しています。
オンライン上の消費者は本質的に視覚的であるため、高解像度の写真はコンバージョンを向上させるために有効な手段です。
出来る限り実際の商品をイメージしやすくなるような写真を掲載しましょう。
ちなみにコンバージョンに繋がりやすい写真は以下4つがポイントとなります。
- さまざまな角度から製品の写真を撮る
- 良質のカメラを使用し、解像度の高い写真を撮る
- 写真内では、背景や他の装飾などの要素は切り取る。写真の焦点はあくまで製品
- サイトでの商品写真の拡大表示を有効にする
改善後は、効果検証をしよう
改善施策は実行したら終わりではありません。改善後は、必ず効果検証を行いましょう。
効果があまり出ていない箇所や悪化した場合、すぐに別の改善施策を施す必要があります。
改善後、特に意識して見るべき指標は以下の3点です。
- セッション数
- 離脱率
- コンバージョン率
改善を積み重ね、常に顧客ニーズに寄り添ったサイトにすることで売上向上はもちろん、あなたの会社や商品への信頼度向上にも繋がります。
ECサイトの改善やってます
PROJECT GROUP株式会社ではサイト改善やSEO、広告運用をはじめ、上流工程からWebマーケティング全体のご支援をしています。
- ECサイトの数値解析、グロースハック
- CVR向上、LTV向上の施策立案
- 解析レポートのご提供
弊社では大手企業を含め、あらゆるECサイトの改善を担当した経験を持っています。
本格的なECサイトの改善、CVRの向上を実現したい方は「お問い合わせページ」にてコンタクトを頂ければと思います。
以上、最後は宣伝でした。
今回解説したECサイト改善ポイントをきちんと押さることで、売上の向上は見込めるはずです。改善案の実装と効果検証を繰り返し行い、売上アップを目指しましょう。