近年ではインターネットの急速な進化に伴い、Webマーケティングとの向き合い方がより一層重要視されるようになりました。
「今更、Webマーケティングのことなんて聞けない…」と思っているあなた。今から、Webマーケティングに触れるのは遅くありませんし、今だからこそ知っておく情報なのです。
この記事では、Webマーケティングの手法と、具体的な導入事例を紹介していきます。記事を読み終えた後、きっと商品やサービスに対する施策が見えてくるでしょう。
目次
Webマーケティングとは
Webマーケティングとは、Webサイトやブログ、あるいは既存のWebサービスを用いて行うマーケティング手法のことを指します。
既存のWebサービスお用いて行うマーケティング手法で有名な例といえば、やはりAmazonでしょう。膨大な商品を取り扱い、通常の購入価格以下の値段で手軽に購入できるAmazonは、世界中に顧客を有しています。
例えば、Amazonでデスクを購入したいユーザーが検索をかけた際、イスやデスク用の照明といった「合わせて必要になりそうなもの」を「あなたへのおすすめ」「関連商品」などと表示し、宣伝しています。
このように大手ECサイトを利用した手法もWebマーケティングの一部ではありますが、その他にも様々な手法がありますので、後述いたします。
Webマーケティングはなぜ必要か?
ビジネスで成果を出すうえで、Webマーケティングへの参入は大きなポイントとなるでしょう。
インターネット市場は年々、拡大の一途を辿っており、個人・法人を含めて数多くのユーザーがWebマーケティングに参入しています。もはやWebマーケティングを駆使した宣伝活動は当たり前になっており、それなくしてはビジネスの成功は難しいと断言できます。
Webマーケティングのメリット
Webマーケティングには、様々なメリットがあります。
まず、Webはインターネットが使える環境にあれば、どのような人でもアクセスすることが可能であるため、多くのユーザーにアプローチすることができます。
現実世界で作られた店舗には、営業時間があるうえに、キャパシティ以上のお客さんを迎え入れることはできません。しかし、Web上であれば一つのコンテンツやメディアに1日あたり数千から数万のお客さんを一度に迎え入れることが可能です。このレバレッジ効果の高さもWebマーケティングの強みです。
蓄積されたデータを元にした改善施策を図れる
またWebマーケティングでは、様々なツールを利用することで成果向上のためのデータを収集して、分析することができます。難しい作業をせずとも、簡単に問題点を改善することもできるでしょう。
例えば、Googleが提供する「Googleアナリティクス」では、コンテンツ記事のPV数はもちろん、スマホ・PCどちらでのアクセスが多いか、ユーザーの滞在時間はどれくらいかなど、様々な視点でのデータを監修することができます。
そういったデータをもとにPDCAを回すことで、コンテンツの質を向上させることができるのです。
ターゲットを絞って訴求することができる
Webマーケティングでは、ターゲットを絞ってアプローチすることができます。
例えば、地域性・年齢層・性別など、様々な絞り方が可能です。ターゲットを絞ることで、無駄なコストを省き、効率的に成果を上げることできます。
細かくターゲットを絞り込むことができるのが、Webマーケティングの大きな強みの一つです。
購買行動のトレンドに合わせた広告訴求ができる
ターゲットの購買行動に合わせたアプローチが可能であることも特徴です。
例えば、「旅行先のホテルを予約したい」と思ったユーザーは、次のようなことが気になります。
- ホテルまでの交通費はいくらかかるのか
- ホテル付近で利用できる駐車場はあるか
- ホテルではどのようなサービス・料理を提供してくれるのか
一般的には、上から下へと行動・思考の変化があることを想定できるかと思います。こういった「ユーザーの段階的な変化に合わせたアプローチ」ができるのも、Webマーケティングの強みだといえます。
Webマーケティングの手法
Webマーケティングには様々な手法があるため、年齢層・性別・地域性などターゲットによって利用する手法を選択する必要があります。
これから主要となるマーケティング手法を紹介していきますので、アプローチしたいペルソナを思い描きながらご覧になってみてください。
- 集客施策
- 接客施策
- 再来訪施策
集客施策
まず、集客施策として基本となるWebマーケティングは主に4つあります。
あまり耳慣れない単語もあるかと思いますが、ある程度にネットに触れていればきっと聞いたことがあるはずです。
具体例と共に紹介していくので、「あー、あれのことか」と頭の中でイメージしながらご覧になってみてください。
- SEO(検索エンジン最適化)
- リスティング広告
- アドネットワーク
- SNS
SEO(検索エンジン最適化)
ユーザーは何かについて興味関心がある際、GoogleやYahooといった検索エンジンを利用します。気になるものをワード化し、検索窓に打ち込んだ経験は、誰しも一度はあると思います。
SEOとは、ワードを通して表示される「メディア」「コンテンツ記事」をより多く露出するための施策です。
例えば、「おすすめの家電BEST3」というタイトルの記事にSEOを施していない状態で、Web上にアップしたとします。すると、記事は検索結果の上位ページに表示されないため、ユーザーの目に止まらず、集客は望めません。
つまりSEOとは、検索エンジンの仕組みを理解し、検索結果を意図的に上位表示させるための施策なのです。
リスティング広告
リスティング広告とは、主に「Google広告」「Yahoo!プロモーション広告」を利用した宣伝手法です。
例えば、腰に痛みを感じたユーザーが「腰 痛み 原因」とGoogleで調べたとしましょう。すると、自然検索(ワードからヒットしたコンテンツ)で表示されたWebページ以外に、「腰の痛みを治すなら○○整体!」というような広告ページが最上部または最下部で表示されていることがあります。この”自然検索”以外で出てきたコンテンツがリスティング広告です。
自然検索で出てきたWebページとリスティング広告は、タイトルの下に「広告」と記載されているかどうかで判別できます。ワードの選択と需要が上手くマッチすれば、潜在顧客に対し効率的にアプローチすることができるでしょう。
アドネットワーク
ネットワークに加盟しているユーザーに対し、一挙に広告配信する仕組みをアドネットワークといいます。
以前はWeb上で宣伝する際には、一つ一つのメディアに「自社商品の広告を設置させてください」とお願いするのが一般的でしたが、それを一新したのがアドネットワークです。
アドネットワークを利用することで、不特定多数のユーザーに広告を配信できるようになり、また掲載の依頼をするなどの工数を減らすことに成功しました。
しかし、良いことばかりではありません。広告は不特定多数のサイトで表示されるため、ブランドイメージを低下させるようなサイトで意図せず表示されたり、サイトとの親和性や関連性がサイトに表示されたりすることもあるのです。
もっともそれでも得られる成果は大きいため、現在でも利用する企業は多くあります。
アフィリエイト
アフィリエイトは、宣伝を依頼した個人・法人のメディアやコンテンツを通して宣伝効果を得られたとき、メディアの運営者に広告手数料を支払うというものです。完全報酬型と呼ばれることもあります。
ちなみに宣伝効果とは、主に下記のようなものを指します。
- 宣伝を依頼していたメディアを通して商品・サービスについての問い合わせがきた
- 宣伝を依頼していたメディアを通して商品・サービスが売れた
- 宣伝を依頼していたメディアの記事を読んで気になったユーザーから資料請求がきた
アフィリエイトでよく見られるのは、ブロガーが書いた商品紹介の記事ではないでしょうか。
「安価なのにとても使い勝手が良かった」「ぜひ他の人にもおすすめしたい」というようなことを記事で読み、商品を購入する。いわゆる口コミを使った宣伝活動です。
SNS
SNSとは、Social Networking Serviceの略称であり、ネット上で社会的ネットワークを構築するサービスのことをいい、FacebookやTwitterなどが該当します。
このSNSには広告を出すことができ、ターゲットを絞ってアピールする点が一番の特徴であり、メリットだといえます。
例えば、Facebookの場合、ユーザーが登録している基本情報を基に、下記の項目にある属性を絞り込むことが可能です。
- 地域(国、都道府県、市区町村)
- 年齢と性別
- 学歴
- 家族構成
- 勤務先
- 趣味、関心
- 行動(購入行動や電子機器の利用状況)
- 自社(自分)とつながりのある人
また、SNSは媒体によって、そもそものユーザー層が違います。宣伝したい商品・サービスと媒体のユーザー層を加味し、どの媒体で広告を配信すべきなのかを事前によく練る必要があるでしょう。
接客施策
接客施策は、CV率を上げていく上でかなり重要になる施策です。
メディアやコンテンツに多くのPVが集まっていたとしても、接客施策を怠っていれば商品やサービスの購入には繋がりにくいでしょう。
それでは下記にて主な2種類の接客施策について紹介していきます。
- LPO(ランディングページ最適化)
- EFO(エントリーフォーム最適化)
LPO(ランディングページ最適化)
LPOとは、リスティング広告などからアクセスした際、最初に訪れるページのパフォーマンスを改善するための施策のことを指します。
複数の画面を使い、どちらのデザイン・構図が良いのかを見比べる「ABテスト」を行ったりするのも、LPOの一つです。
ランディングページはサイトの入口となる部分なので、離脱率・滞在率を最も重要視してみていきましょう。
EFO(エントリーフォーム最適化)
入力フォームや買い物カゴからの離脱を防ぐための施策をEFOといいます。
成果達成(購入、資料請求、問い合わせなど)に最も近いページになるため、サイトの集客がしっかりと出来ていれば即効性も高くなります。
入力画面まで進んで「やっぱり辞めよう」となった経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。そういった入力画面からの離脱に対する施策もEFOに該当します。
再来訪施策
再来訪施策とは、文字の通り、一度メディアに訪れてくれたユーザーに対して再来訪を促す施策のことを指します。
こちらも基本となる2種類の手法を下記にて、紹介していきます。
- メールマーケティング
- リターゲティング広告
メールマーケティング
保有しているユーザーにメールを配信し、再来訪を促す施策です。狙ったターゲットにまとめてアプローチできるのがこの施策の強みとなっています。
ユーザー全員にメールを配信するだけでなく、自社の商品・サービスに関心の高い層だけにメールやクーポンを配信するなど、アプローチの方法は多岐にわたります。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、一度サイトに訪問したユーザーに向けて、広告を配信することで再来訪を促す施策です。
サイトの訪問があるということは、商品・サービスへの興味関心が高いと仮定できるため、コスト効率が高いといえます。
しかし、サイトへのアクセスが低いとリターゲティング広告は配信できません。集客施策と組み合わせて行っていく必要性があります。
Webマーケティングの活用事例
次は、Webマーケティングを活用した企業の事例を具体的に紹介していきます。
どのような手法で、どのように成果に繋がったのかというところまで解説していきますので、ぜひ参考にされてみてください。
ガシー・レンカー・ジャパン株式会社
ガシー・レンカー・ジャパン株式会社は、コンテンツSEOを取り入れ、成果に繋げています。「ニキペディア」というコンテンツが中心です。
ニキビ対策・予防についてのコラム記事の文末に、商品の注文ページのリンクが設置されているというシンプルな流れを構築しています。
コンテンツは、自社商品を使って得られた検証の効果・体験レポートなどが写真付きで紹介されており、説得力が高く、見やすいページが多く見受けられました。
面白いのは、自社商品以外の商品をあえて紹介しているという点です。競合になる会社の製品の紹介を行うことで、コンテンツ自体の信用性に繋がり、長期的な視野で見たとき、良い販促効果をもたらすと考えられます。
ニキペディア:https://nikipedia.jp/
株式会社Ptmind
Ptmindは、SNSを利用したWebマーケティングを取り入れることで、サービスを展開してきました。
Ptmindとは、アクセス解析ツールです。ユーザーサイト内での行動をサーモグラフィーで可視化できるというもの。そのツールをSNSで紹介するだけでなく、Twitterのリツイート数やFacebookのいいね数を分析し、スコアリングし改善を測ります。
更に、KLoutというサービスを用い、サービスと相性の良いインフルエンサーを抽出、更なる拡散に繋げることに成功したのです。
Ptmind:https://www.ptengine.jp/
LITALICO株式会社
LITALICO株式会社は、オウンドメディアであるLITALICO発達ナビを中心に、SEO対策やメールマガジン配信などを利用し、成約に繋げています。
LITALICO発達ナビは、発達障害の子供を持つお母さんに向けられたメディアです。病気の症状をテーマとして扱っているため、コンテンツ自体がとても繊細な仕上がりになっているのが特徴。広告やランディングページへの導線が少なく、あくまでユーザーベースで作られたコンテンツになっています。
「発達障害とは」といったようなHOW TO系の記事から集客し、発達障害の子供向け教室といったサービスに繋がっています。
LITALICO発達ナビ:https://h-navi.jp/
まとめ
この記事では、Webマーケティングで使われる基本的な手法から、具体的な事例までをまとめて紹介してきました。自社の商品やサービスを宣伝するイメージは湧きましたでしょうか。
活用事例にもあったように、一つの商品に対し、複数の手法を用いて成約に繋げるというのが一般的なやり方となっています。
まずは自社で宣伝したいと思っている商品やサービスを「他社ではどのように宣伝しているのか?」という視点でリサーチしてみると良いかもしれません。
この記事を読んだ後であれば、コンテンツの意図が目に見えてくるはずです。